So-net無料ブログ作成
検索選択
前の10件 | -

加計呂麻島を走る<鹿児島県奄美群島> [ラン旅]

おそらく、加計呂麻島と言って、

すぐに位置がわかる人は多くないだろう。

東京から飛行機で鹿児島を経由して奄美空港に。

奄美空港でレンタカーを借りて南部の港・古仁屋港へ。

そして古仁屋港からは海上タクシーに乗り、

ようやくたどり着く。

20170722_175406-1024x576-1.jpg

加計呂麻島はリアス式の海岸線が180kmも続く。

入り江の数だけ小さな集落がある。

ここ、勢里(せり)も4軒だけの小さな集落だ。


仕事に区切りをつけた土曜日の午後6時。

加計呂麻島で走るなら、今しかない。

民宿おばさんに「ちょっと走ってきます」と言うと、

「忙しいのねえ」と呆れている。

20170816_171058.jpg

東に向かうことにした。

東側は道路が危険なところがあるというので、

レンタカーでの通行は避けていた。

だから初めて通るルートになる。


道路の両脇にはハイビスカスが咲いていた。

誰かが植えているのか、

それとも野生の花なのか。

どちらにしても、強い品種なのだろう。

20170722_171018-1024x576.jpg

集落を抜けると、すぐに坂道になった。

入り江が多いということは、

坂道が多いということでもある。

右手には青い海。

左は崖になっている。

西日を背中に受けてすぐに汗が滴り落ちる。

20170816_171707-845x481.jpg

1キロちょっとで次の集落、佐知克(さちゆき)に着いた。

ここには加計呂麻島唯一の製糖工場がある。

おそらく家の数は10軒くらいだろう。

人の姿は見えない。

20170722_174901-1024x576.jpg

佐知克を抜けると上り坂が続く。

民宿を出てから一度も人や車に会ってない。

走っていると、足音に驚いたらしい鳥がバタバタと飛び立つ。

その羽音にこちらもドキっとしてしまう。

よく見かけるのは全身が緑色の鳩のような美しい鳥だ。

後で聞くとアオバトという鳩の一種だった。

ジャングルの中からはほかにも昼夜を問わず甲高い鳥の声がする。

アカショウビンかもしれない。


坂道はずっと続く。

工事現場らしい場所があり、視界が開けていた。

走り始めてちょうど4km。

島の東に太平洋が見えた。

島の西は東シナ海だ。

20170816_172013.jpg

加計呂麻島はあちこち路肩が崩れていて、

不通の道も多い。


工事現場の先はずっと下りになる。

途中まで下って25分になった。

このまま走って次の集落、秋徳にもいってみたいが、

そうなると、この長い下り坂は、

帰り道では長い上り坂になってしまう。

もう少し走りたいが、

民宿の食事に遅くなるのも申し訳ない。

引き返すことにした。


帰り道でも、アオバトがバタバタと飛んでいく。

時折受ける西日は強烈だが、

ジャングルの木陰の道も増えてきた。


佐知克が見下ろせる。


前回、「隠れ里」を走ったが、

加計呂麻島こそが本当の隠れ里と言えるかもしれない。


汗を滴らせながら下る。

日差しがオレンジ色を帯びてきた。

勢里に入れば平坦な直線コースでゴールだ。


どうせ汗で全身びしょ濡れだ。

民宿に着いたら、目の前の海に飛び込もう。

最高のクールダウンになるはずだ。

20170722_193143-1024x576.jpg


Screenshot_20170816-kakero.jpg






夕暮れの灯台へ<鹿児島県奄美大島> [ラン旅]

奄美大島の南端にある古仁屋港。

ここにやってきたのは12年ぶり。

でも、どこも変わっていない気がする。

大島海峡を隔てて、明日から過ごす加計呂麻島がまじかに見える。

フーテンの寅さん最後のロケ地だ。

古仁屋は奄美諸島では重要な港だけれど、

意外にこじんまりしている。

漁船も少ない。

20170720_あまみ6.jpg

港から3分ほどのビジネスホテルを出発したのは午後6時。

まだまだ外は明るい。

まっすぐ港に向かう。

小さい港をつなぐように、

かわいい橋がかかっている。

20170720_あまみ.jpg

渡って海岸線を夕日の方角へ向かう。

古仁屋でおそらく一番大きなスーパーだろうコープを過ぎると、

すぐに海沿いの山道になった。

20170720_1あまみ3.jpg

60代後半くらいだろうか。

夫婦のような男女が前を歩いている。

この先にある灯台を目指して散歩しているのだろう。

さらに上る。

この先のカーブを右に曲がれば、

沈んでいく太陽が見えるかもしれない。

そんな期待をしてカーブを曲がった。

上り坂はやっと終わったけれど、

水平線どころか海は見えなかった。

その先にも新たなカーブが続いていた。


田舎の道では歩道がなく、

走っているすぐ横を車が走り過ぎることが多い。

ここは山道なのに広い歩道があるのがありがたかった。

もっとも車はほとんど通らないのだが。


GPSで見て3キロになったところでUターンして戻ることにした。

実はあまり時間がない。

夜、暗くなったら撮りたい写真があるからだ。

20170720_あまみ4.jpg

帰り道に灯台に向かった。

高さ5メートルほどの小さな灯台だ。

60代後半くらいのお父さんもが歩いてきた。

ここを目標に散歩している人が多いようだ。

手前は大島海峡。

20170720_あまみ5.jpg

下って行くとこちらに向かって来るランナー

知らんぷりも、どうかと思い

「こんにちは!」

すれ違うとき、声をかけた。

相手は少しだけ頭を下げたきがした。


またすぐにランナーが来る。

また声をかけた。

「こんにちは」

今度は小さな声が返ってきた。

奄美の人は、ちょっとシャイな気がした。


きっと、今日すれ違った人たちは、

いつもこの道を走っているのだろう。

坂道、海、加計呂麻島、灯台。

このコースはトレーニングに向いているし、

眺めもなかなかだ。


暗くなってきた。

アマミノクロウサギに会いに行こう。


20170803_205541.jpg









隠れ里を走る<岐阜県中津川市> [ラン旅]

中津川に出かける2日前、

雑誌を開くと「ニッポンの隠れ里」という特集だった。

岐阜県の旧・加子母(かしも)村が紹介されている。

現在は合併により中津川市になるという。

その中でも村人たちの手作り歌舞伎小屋に目を奪われた。

小屋は男衆が作り、引き幕引は女性たちがお金を出し合ったという。

そのため「娘引幕」と呼ばれ、女性の名前と屋号が書かれている。

20170726_231205.jpg

20170708_181805-1024x576.jpg

この村を走ろう。

隠れ里を走れるなんてワクワクする。


7月初めの暑い金曜日。

加子母川に沿った道の駅に車を止めた。

隠れ里だってちゃんと道の駅はあるのだ。

駐車場から清流が見える。

釣りの人が何人かいた。

午後5時すぎに走り始める。

大都市と違って地図はないのでコースは勘が頼りだ。

まず、坂道を上る。

高いところから村の全体を見てみたい。

道幅はほんの数メートル。

狭い農道のような道が曲がりくねっている。

通る車はほとんどない。

20170708_181805-1024x576.jpg

でも、すぐに坂道は林の中に消え、

見通しの良い高台はありそうもない。

里山に沿った道を走る。

kasimo3.jpg

道と田んぼの間にある用水路が音を立てている。

家のあると、必ずと言っていいほど花も咲いている。

7月はやはり花の季節だ。

kasimo1.jpg

この辺りにイノシシは出ないのだろうか?

もし出たら、どうしようか。

いや、あの重たそうな体だ。

瞬発力ではかなわないが、長時間は走れないだろう。

遭遇したら、とにかくダッシュして、

最初の100mくらいを必死で走る。

あとは、サブ4ペースで走れば逃げ切れる。きっと。

そんな妄想が浮かんできた。

kasimo2.jpg

立派な寺があった。法禅寺という。

高台で村の歴史を見続けて来たのだろう。


のどかな夏の田園風景。

写真を撮りながら走っているので、

距離もスピードもかせげない。

暑いけれど、疲れは感じなかった。

まだ、ずっと走れる気がした。

見あきない田舎の風景のせいか、

それともうまい空気のおかげか。

20170708_183208-576x1024.jpg

目的地の明治座。

もちろん、もう誰もいない。


太陽が傾いてきた。

道の駅に戻ろう。

下って行くとやや道幅の広い道に出た。

両側に店舗兼住宅のような家が並ぶ。

kasimo7.jpg

加子母村のメインストリートだったに違いない。

かつては賑わっていた時代もあったのだろう。


お母さんが散歩している。

すれ違う前に「こんにちは」あいさつをした。

返事は返って来なかった。

小さな村の夕暮れ時。

走っている男は怪しいに違いない。


加子母村。

また訪れることがあるだろうか。

約1時間で8km。

山の向こうに赤い日差しが隠れようとしていた。

20170726_231809.jpg

かしも540x960.jpg.png




紀ノ川を渡る<和歌山市> [マラソン]

東京から和歌山日帰りすることになった。

仕事は30分で済む。

すぐに帰ってきたのでは味気ない。

だから、やっぱり走ることにした。


和歌山駅に着いたのは午後1時すぎ。

駅の案内所で日帰り温泉施設と銭湯の場所を聞く。

走った後、できれば汗を流したい。


駅ビルの地下で和歌山らーめんを食べる

その隣に公衆トイレがあったので中を確認。

広い個室があった。

時間がなかったらここで着替えよう。

下見はオッケーだ。

2017-06-15 10.30.51.jpg

仕事を終え、ふたたび和歌山駅に戻ってきたのは午後3時20分。

帰りの列車は16時55分。

時間がない。

お風呂はあきらめよう。

駅ビルのトイレで着替えて、コインロッカーに貴重品を預けた。

2017-06-15 10.31.38.jpg

まず、まっすぐ大通りを和歌山城方向へ

1.5kmほどで見事な天守閣が見えてきた。

和歌山は初めてではないけれど、

これほどのお城があるとは知らなかった。

城の中の庭園も見応えがあったし、

和歌山市内を見渡す眺望もなかなかだ。

行ったことはあるけれど、

実はその土地のことを何も知らない。

再び訪ねて、それに気がつくことが多い気がする。

2017-06-15 10.32.17.jpg

時間がないので天守閣には入らず、すぐ下る。

次は紀ノ川へ一直線だ。


しかし、距離の割には時間がかかる。

とにかく信号が多い。

最初は駅前通りだからと思ったけれど、

横の通りでも信号が多い。

ほとんど車の行き来がないところでも信号で止まる。

走っているとタイミングが悪いのか、

信号のたびに赤に捕まっている気がする。

しかも、赤の時間がやたら長い。

だんだんいらいらしてきた。

2017-06-15 10.32.39.jpg

とはいえ、紀ノ川に出た。

紀ノ川大橋を渡る。

河口が近く、橋は幹線道路になっているせいだろう。

紀ノ川という情緒のある名前のような、

美しい景観にはほど遠かった。


20年前、北海道で暮らしていた頃、休日はカヌーとキャンプを楽しんでいた。

そんな時、アウトドア雑誌で「紀ノ川でカヌーを楽しむ家族連れ」の写真を見た。

山の間を縫うように流れる美しい川を、

父、母、子供たちがそれぞれが小さなカヤックで下っていた。

青空と山の緑が目にしみた。

いつか家族でこんなきれいな川をカヌーでツーリングしよう。

そんな夢を描いた。

でも、子供が小さい頃は、親は働き盛りのことが多い。

今、振り返ってみるとそうだった。

夢が、夢のまま終わっていたことにさえ気がつかなかった。

「いつか、こうしよう」なんて、所詮は叶わないものかもしれない。


思えば、今年85歳の父は、

「野生の王国」などTVのドキュメンタリー番組を観ながらよく言ったものだ。

「いつか、一緒に行こうな」と。

父は、おそらく一度も海外旅行をせずに生涯を終えることだろう。

紀ノ川大橋を渡りながら、

そんな子供の頃のことを思い出していた。

「いつか一緒に行こうな」は本気で言っていたのだろうか。


橋を渡り終えてすぐUターン。

あまり時間がない。

今度は上流側の歩道を走る。

平日ならもっと車の量が多いのかもしれない。

2017-06-15 10.33.37.jpg

駅を目指す。

運河のような小さな川沿いに長屋のようなアーケードが続いていた。

夜になったらにぎわうのかもしれない。

小さな路地を走ったせいか、

今度は信号に邪魔されなかった。

2017-06-15 10.33.54.jpg

途中、コンビニで「汗拭き」を買った。

駅に戻って9.87kmだった。

ちょっと走って10kmちょうどになったところでGPSを止めた。

広いトイレの個室で汗をふき、

下着だけ着替えた。


新大阪に向かう「くろしお11号」の発車時間までまだ6分ある。

改札に着くと特急列車が発車しようとしている。

とりあえず改札を入り、時間を確認しようとすると、

駅の職員らしい女性が声をかけてきた。

「もう出発ですよ」

しかし、まだ16時49分。

おかしいと思いつつ、未確認のまま目の前の車両に乗る。

「何号車ですか?」その女性が車両の外から聞いてくる。

「5号車です」チケットをみながら答える。

「こちら後方の車両です」

お礼を言う前にドアが閉まった。

間一髪。

時間を勘違いしていた。


水分補給できないまま新大阪へ。

混雑していたけれど、

なんとか缶ビールを購入。

新幹線の中で喉を潤した。


2017-06-15 10.35.51.png










初夏の棚田を走る<山梨県富士川町> [ラン旅]

気温はまだ25度を超えているだろう。

すっかり夏の陽気が続いている。

ホテルを出たのは午後5時頃。

今回、GPSを持ってくるのを忘れてしまった。

始めての土地でのRUN、記録を残さずただ走るのは虚しい。

何か記録を残したい。

そこでスマホにマラソンのアプリを入れた。

走ったコースが地図に残ることが、

ちょっとした楽しみなのだ。

インストールが終わってすぐに走ることにした。

アプリの使い方は知らないけれど、

なんとかなるだろう。

2017-06-15 10.24.33.jpg

ホテルを出て、スタートをタップした。

まずは櫛形山の方向を目指す。

富士川町は増穂町と鰍沢町が数年前に合併した小さな町。

ビジネスホテルはたったの1軒しかない。

なだらかな坂道を上る。

県道に沿った歩道を走っていると、「つり掘」という手書きの看板があった。

釣り堀もちょっとのぞいてみたいのでそちらへ。

2017-06-15 10.25.15.jpg

その後看板はなくなり、つり堀がどこかはわからなくなった。

ヤマメの釣れそうな川沿いの道を上る。

その山道ちょっと走ると、すぐに南側へ下っていた。

南東に見えるはずの富士山は雲に隠れている。

Uターンすることにした。

棚田ある北へ向かう。

午前中、高台を探していて見つけた棚田は、

甲府盆地が見渡せる。

こんな風景の中を走ると疲れは感じない。

2017-06-15 10.25.48.jpg

細い川ぞいに入ると年配の女性が犬を連れていた。

のどかな散歩コース。

ジョギングにも気持ちいけれど、

こんな田舎では走る人もいないかもしれない。

女性を怖がらせたりしないように、

にっこりと、出来るだけやさしい声を出してあいさつをする。

「こんにちは」


棚田はまだ田植えが始まったばかり。

東北では、もう終わっていたのに、

甲府盆地は遅いようだ。

2017-06-15 10.26.40.jpg

棚田周辺を一回り。

まだ30分も走っていないが、

お腹が空いたので戻ることにする。

帰りは下り坂。

ピッチが上がる。

2017-06-15 10.27.21.jpg

西日が背中にあたる。

47分は過ぎていた。

スマホを見ると、

表示はなぜかマイル

平均スピードもマイル。

ピンとこない。

まあいいか、地図は残る。


地図を見て振り返るのは楽しい。

2017-06-15 10.29.25.png

この記録は翌日のコース。

ほとんど同じだけれど、ちょっと短い。




清水へ、二条城へ<京都市・その2> [ラン旅]

さて、今日はどこを走ろうか。

日中、仕事で足が棒になるほど歩き回ったのに、

走りたくなった。

走り始めると、不思議なことに疲れを感じない。

むしろ疲れが取れる気がする。


岩本能史さんが著書に書いていた。

足に負担がかかるのは、

1、立っていること。

2、歩くこと。

3、走ること。

という順番なのだと。

なるほど。

走っている方がずっと楽だ。


さて、京都のにぎやかな四条通りのホテルを出て、

まずは南へ。

京都は道がわかりやすい。

南下すれば五条。

そこを東に向かえば清水寺の方向だ。

午後6時過ぎ。

もう中には入れないが、

近くに行けばそれでいい。

2017-05-20 16.43.22.jpg

途中の細い道を入る。

古い町並みというほどではないけれど、

昔ながらの商店街がある。

小さな扇子屋さんが、まだ開いていた。

扇子だけの店で経営が成り立つのだろうか?

京都だからこそかもしれない。

銀座では難しいだろう。


鴨川に出た。

多くの車が行き交う黄昏時。


清水寺の方向から歩いて来る和服姿の観光客。

その観光客が喜びそうな情緒ある町並み。

全国に「小京都」と呼ばれる場所がある。

でも、所詮は小京都であって、京都にはなれない。

京都はさすが京都だと思う。

2017-05-20 16.58.00.jpg

坂を上り、清水の入り口へ。

中国人らしい観光客が大勢いた。

日本人はそんな格好しないもの。

2017-05-20 16.44.13.jpg

振り返れば京都の夕暮れ。


祇園周辺は混雑で歩きづらいので、

いったん鴨川に出た。

今日の最高気温は28度だったとか。

2日前より川べりに人が多い。

2017-05-20 16.45.03.jpg

オレンジ色の雲がまだ見える。

この空を背景に二条城写真が撮れないかな。

ちょっとペースを上げる。

四条周辺は混雑しているので、

そのまま三条へ。

道幅も、歩道も広く走りやすい。


すっかり暗くなってきた。

あと1ブロックで二条城。

ライトアップされている真っ白な壁が見えた。

皇居を思い出した。

空を見上げると、

残念ながらオレンジ色の雲はもう見えない。

群青色に染まっている。

2017-05-20 16.45.47.jpg

周囲を走る。

私のような年配者や若者も走っている。

やはり二条城の外回りは信号もなく走りやすいのだろう。

東京なら皇居。

福岡なら大濠公園。

京都なら二条城。

距離はどれくらいなのだろう。


そういえば、京都は高校駅伝や、県別対抗駅伝とか、

すごく強かったような。

こんな風に走りやすい環境のせいかもしれない。

明日は最終日。

もう京都の街を走れない。

そう思うとちょっと寂しくなった。

京都1.jpg

鴨川沿いと祇園を走る<京都市> [ラン旅]

夕方、小雨が降ってきた。

夜にかけて本降りになるという。

でも、このくらいの雨ならランナーにとっては、むしろ歓迎だ。

ほてった体を適度に冷やしてくれる。

喉の渇きも感じないですむ。

2017-05-20 16.40.06.jpg

5月のGW明け。

急に気温が高くなり、

前日、東京の最高気温は29度まで上がった。


ここ京都も半袖シャツの人が目につく。

今回の仕事では、雨はあまりうれしくない。

ならば、仕事は明日から頑張って、今は走ってしまえ。


四条通りに面したホテルを飛び出し、

鴨川めがけて走り出した。

京都でも特ににぎわう大通り。

歩道が広くて走りやすい。

1kmほどで河原町。

そして鴨川にかかる四条大橋に出た。

まだ、外で一杯やるには早いのか、

テラスに客は少ない。

いや、やはり小雨のせいだろう。

2017-05-20 16.40.35.jpg

清流を右手に見て川沿いの遊歩道を上流に向かう。

意外に走っている人の姿はほとんど見ない。

こんな素晴らしいランニングコースなのに。

30分、約5kmほどで下鴨神社手前の鴨川大橋に着いた。

鴨川デルタと呼ばれる地元の人の憩いの場所だ。

川を離れて京都御所に向かう。

2017-05-20 16.40.57.jpg

京都御所。

人影はほとんどない。

ザッザッザッ。

だだっ広い場所に、

小さい砂利を踏む自分の足音だけが響く。

散歩の人が少しいるだけで人影は少ない。

御所内にきれいなトイレがあった。

用はないけど中を見てみたい。

さすが、御所内の公衆トイレだと思った。


南に抜けて、風情のある商店街や和菓子店の前を走る。

あっという間に四条通に戻ってきた。

八坂神社や祇園をゆっくり駆けながら探索した。

2017-05-20 16.41.45.jpg

歩いたら、それなりの距離だけど、

走ってしまえば短い時間でいろいろ見られる。

観光に手っ取り早いのがランニングかもしれない。

2017-05-20 16.42.30.jpg

1時間39分で13.76km。

タイムはともかく、京都の街を走る喜びは味わえた。

11京都.jpg

城崎から海を見に行く<兵庫県豊岡市> [ラン旅]

城崎温泉に来て3日目。

ようやく走る余裕が出来てきた。

朝食後、ちょっと休んで9時半に走り始めた。

でも、午前11時半に予定があるので、

10時50分には戻って来ないといけない。

走った後の汗は、城崎温泉の外湯で流すことにしよう。

だから走れる時間は1時間ちょっとだ。

城崎1.jpg

温泉街の中心部にある古い旅館を出発。

朝の温泉街を走っている人なんて見当たらない。

なんとも言えず爽快な気分だ。

ほどなく円山川という大きな川に出た。


ここから川沿いの国道を走って河口を目指す。

道幅が狭い上に、そこそこ車が通るので気が抜けない。

対岸の山に見えるのは山桜だろうか。

温泉街の桜はちょうど散り始めたが、

山の桜は見頃が始まったようだった。

城崎2.jpg

城崎4.jpg

円山川に2本の大きな橋が架かっている。

一本は車道。もう一本は歩行者用だ。

走りやすそうなので歩行者用で対岸に渡ることにする。

城崎3.jpg

橋を渡ると小さな集落があり、

そのまま海を目指すとほどなく浜辺に出た。

入り江になっているためか、

日本海は風がなく本当に穏やかで波の音さえ聞こえない。

城崎5.jpg

浜辺にはテントが一張り。

男性一人がタープの下で読書をしていた。

一人のキャンプも気持ち良さそうだ。

城崎6.jpg

河口から対岸を見る。

川に沿ってびっしり家並みが続いていた。

あまり見たことのない独特な風景だった。


気温は12、3度くらいだろうか。

ちょうど走りやすくて程よい汗をかいた。


走っている人の姿は見かけない。

さきほどの橋をのぞいて

道幅も歩道も狭くて走りやすいコースとはいえない。

でも、江戸川や荒川の川べりと違って、

走っていて風景が変わるので面白い。


しかし、あまりゆっくりしてはいられない。

名残惜しいが引き返すことにした。


城崎温泉街に戻ってきた。

知らない街を走る楽しさは満喫できた。

宿に戻って、すぐに外湯へ。

外湯は旅館の目の前の「一の湯」にした。


金曜日の朝のお風呂は空いていて、

じっくり浸かっていたい気分だった。


実は物価が高い伊豆長岡以来、

温泉街での仕事は避けていた。

でも、城崎温泉はさすが。

志賀直哉が気に入ったのもよくわかる。

当時の面影はないかもしれないけれど。

城崎7コース.jpg







「海岸通」を走る<大分県津久見市> [ラン旅]

「あなたが船を選んだのは私への思いやりだったのでしょうか。

別れのテープは切れるものだと、なぜ、気づかなかったのでしょうか」

伊勢正三の名曲「海岸通」(かいがんどおり)。

そして、イルカが歌っていた「なごり雪」。

これらの曲は、伊勢正三が故郷の大分津久見市をイメージして作った曲だ。

今、津久見駅のホームには「なごり雪」が流れている。


かつて、伊勢の育った家は、

津久見港がすぐ目の前の「海岸通」にあった。

その頃の港は埋め立てられ、ホテルやスーパーが建つ。

津久見1.jpg

そのホテルの部屋からは海が見えた。
海とホテルの間にはランニングの周回コースがあり、

朝はラジオ体操、日中はウォーキングの人たちが絶えない。

部屋に帰ると「よし走ろう」そんな気持ちになってくる。

 

津久見の港は典型的な工業港。
太平洋セメントなどのプラントが並んでいる。
「海岸通」にあるような別れのテープの光景は、

おそらく見られないだろう。


ホテルを出て、津久見港を海に沿って走る。
魚市場の近くで釣りをしていたおばちゃんが二人。
アジとメバル、メジナがバケツに入っていた。
晩御飯のおかずか、明日の朝ごはんか。

夕日が港の先の山に沈んで行く。 


港はここまでにして

山側にある津久見駅に向かう。
かつて、駅の周囲にある商店街も賑わっていたのだろうか。 

こじんまりした店がいくつか灯りをつけていた。 

津久見2.jpg

気温は10度もないだろう。

3月の中旬というのに、真冬なみの寒さだった。


もし、この街で生まれ育ったら、

どんな人生を送っただろう?

旅先で、ふと、そんなこと思うことがある。


夕方、「なごり雪」が流れる駅のホームで 、

大きな荷物を抱えてホームに立つ母娘を見た。

特急列車が入ってくる。

数人の乗客が降りた後、

母が先に列車に乗った。

娘は乗り込む直前、津久見の街を振り向いた。

そして大きく2度、手を振った。

発車を告げるメロディーが流れる。


3月下旬。

もう卒業式も終わっているだろう。

進学か、就職か。

それとも父親が単身赴任で住む街に行って

一緒に暮らすのかもしれない。

彼女は津久見に別れを告げて、

どんな一歩を踏み出したのだろう。

走りながらも、ずっと気になっていた。

津久見brog.jpg



 

 

長嶋茂雄ランニングロードを走る<静岡県伊豆の国市> [ラン旅]

長嶋茂雄ランニングロード


その名前を聞いてから、いつか走ってやろうと思っていた。
どれほどタフなコースなのだろうかと。


当時、ミスター宿泊していたのは大仁ホテル

大仁の町の高台の上にある。

大仁の街に下り、狩野川の土手を走り、

川の対岸にある城山に登っていたという。

距離では10kmくらいだろうか。

狩野川1.jpg

今回の宿は伊豆長岡温泉宿。

大仁まで5キロはあるけれど、

夕方、狩野川の土手を大仁に向かった。
傾き始めた太陽は右手に、川を左に見て走る。
散歩にもジョギングにも気持ちのいいコース。
犬を連れた人、体育会の学生などとすれ違う。

この季節の狩野川は水量が少なく、
土手から清流まではちょっと離れている。


30分ほど走ると土手が途切れた。
しばらく車道を走り、
また川沿いの道に戻る。
だいぶ暗くなってきた。
そろそろ引き返そうか。

いや、ミスターが走った辺りまでは行きたい。
川の東側には「長嶋ロード」の表示があるのだけれど、
西側には見当たらない。

ここは、ミスターの走った場所なのだろうか?
確証が持てないまま走っていると、
突然、右手に城山の入り口 が現れた。

城山入り口1.jpg

ここからミスターは山を登ったのだ。

写真付きのモニュメントもある。
でも、この暗さでは山に入る気がしない。
そのまま通り過ぎ、対岸に渡ることにした。

東側は西側より整備されていて、
「東京読売巨人軍 長嶋茂雄ランニングロード」

と書かれたものものしいモニュメントもあった。
モニュメント5−1.jpg
だいぶ暗かったけど、
走っている人もいる。
でも、これから伊豆長岡まで戻る人はいないだろうな。

ミスターがこの道を走ることは、もうないだろう。
ランニングロードはきっとモニュメントとともに、

永遠に不滅であるに違いない。 

帰り道、すっかり暗くなってしまった。

10kmていどのつもりが15kmになった。
ミスターは走った後に生ビールを飲んだだろうか?
当時は瓶ビールしかなかったかもしれない。


走ったあとは温泉、そして生ビール。
そんな想像をしながら、
真っ暗になった道をとぼとぼと走った。

伊豆の国ラン記録.jpg

 

前の10件 | -